2007年08月07日更新
それでは初対面での基礎的なコミュニケーションスキルのノウハウを理解したところで、次は「ミラーリング」のスキルについて紹介します。「ミラーリング」とは鏡に映すように、相手の動作を自分の動作に合わせることです。人間は自分と同じ趣味や嗜好・動作を行なう相手に親近感を持ちます。
たとえば身長の低いご高齢の方と接するときは、視線を相手に合わせるために、無意識のうちに少し背を丸めます。そして話し方も相手のペースに合わせて、ゆっくりと話します。これなどは「ミラーリング」のスキルの典型です。目の高さを相手に合わせることによって、相手の警戒心を解き、心を開かせることになるのです。そして話し方のスピードも相手に合わせることによって、より相手を尊重することになります。
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また、顧客のところに打ち合わせに行ったら、たまたま相手も同じ系統の色のスーツにネクタイだったとします。人間は自分と嗜好が似ていると、自然と好感を持つものです。「好みがご一緒ですね」「今日はこのスーツとネクタイの組み合わせの気分なんですよね」と声がけをすると、相手に自分の心を合わせている、というサインになり、より親近感をもってもらえるようになります。
なぜ、「ミラーリング」のスキルが起業家にとって、必要なのでしょうか? 「他人の趣味や嗜好、動作を丁寧に汲み取る」ことは、人に対する洞察力を磨けるうえ、ひいては信頼関係につながります。そしてその得られた信頼関係はやがて営業力のアドバンテージとなるはずです。
さて、ここで私が人の話を聴くときに、特に気をつけている点を紹介しましょう。それは「コップの中の水を空っぽにして、相手の話に耳を傾ける」ということです。これは、私の恩師である臨床心理士の先生の言葉です。自分のコップの中に、たとえば、「この人は結構頭がいいな」とか「きっとこんな風に話が展開するんだろうな」という自分の解釈という水が少しでも入っていると、本当に相手が言わんとしていることを理解することが難しくなる、というたとえです。
だから、自分のコップはいつも空っぽにしておいて、まずは相手に水を注ぎこんでもらいます。その水は一気に飲み干すのではなく、五感をフル回転させて、色やにおい、味、温度を感じながら、少しずつ口にしていくイメージです。そうすると、注がれた水はどんなものだったかを理解することができます。相手を十分、理解するということは、この一連の動作と似ています。良好なコミュニケーションは、まず相手を「無条件に受容」することから始まります。
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