インターネットの登場により、既存メディアはいま転換期にある。ではメディアの古典である新聞はインターネットをどう生かすのか? それとも新聞はネットの大波に飲み込まれるのか? この連載では各新聞社のキーマンを直撃し、彼らのネット戦略や時代認識を読み解いていく。
今回は前編に引き続き、朝日新聞社のウェブに対するスタンスを見て行こう。
新聞のノウハウがネットでは通用しない
インターネットは人々に発言の機会をもたらした。今やブログやSNSでは、たくさんの「私はこう思う」が発信されている。ならばマスコミだけが一方的に情報を送り出していた紙の時代とくらべ、新聞記事に否定的な反響も増えたのではないか? 朝日新聞東京本社 WEB編成セクション マネジャーの小野高道氏は言う。
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| 朝日新聞東京本社の小野高道氏 |
「反響の比率は以前と変わりないと思います。ただネット時代になり、読者の反響の総数は多くなったかもしれません。以前ならまず葉書を買ってきて、投函しなきゃいけなかった。ネットなら環境さえあれば、すぐに感想を発信できますから」
では一方、反響の同時多発性についてはどうだろう。
ウェブは紙媒体とちがい、記事に対するアクセス数がリアルタイムで分かる。とすれば紙の時代に「新聞の一面ではこういう記事が重要だろう」と新聞社側が考えていた切り口と、現実に読まれる記事とのギャップがネットによって表面化してきていないだろうか?
「もちろんそれはあります。これはネットユーザーと紙の読者の基本的なちがいでしょう。われわれは127年間も新聞をやってきて、何を一面に出すか? については蓄積されたノウハウがある。自信をもっています。ところがインターネットでは事情がちがいます」
インターネットがなかった時代には、マスコミだけが「モノ申すしくみ」をもっていた。だが今では読者が記事を読み、価値判断し、意見を発信する世の中になった。とすれば新聞社の社会的な存在価値は、今後、相対的に小さくなって行くのではないか?
「ブログの登場で、ネットユーザーの情報発信が簡単になったのはいいことです。新聞社にとって有益な分析もありますし、われわれが吸収すべきことも多いです。ただしあるユーザーが何かを発信したとき、その情報が本当に正しいのかどうか、裏を取る必要がありますね」














