2008年01月23日 23時30分更新
中小企業の味方 Group-VPN徹底解説
業務を変えるニュータイプ「拠点間接続」
前回は中小企業が抱える拠点間接続の課題を解決するNTTコミュニケーションズの「Group-VPN」の特徴について、解説してきた。今回はGroup-VPNを活用した障害対策について見ていきたい。
最近、業務で利用するネットワークの継続性が求められている。ITへの依存率が高くなっている現在、通信の遮断はビジネスが止まることを表すからだ。
現在では業務システムやメール、グループウェア、IP電話など多くのアプリケーションを、ネットワークを介して利用する。こうしたシステムを実現するためのサーバをデータセンターで集中管理することが増えているため、障害時のネットワークの断絶は致命的だ。
また、最近では、「BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)」という観点からも、ネットワークの障害対策に大きな注目が集まっている。BCPとは自然災害や火災、テロなどの緊急事態が発生した際でも、事業資産の損失を最小限に食い止め、速やかに業務を再開するための計画を指す。地震や台風など、自然災害の多い日本では、こうしたBCPに対する関心は高く、中小企業でも策定を検討する企業が増えている。
そのため、拠点間接続を導入する際には、こうしたBCPを念頭に置いたネットワークの障害対策も重要な検討事項になる。では、NTTコミュニケーションズのGroup-VPNでは、どのような障害対策が可能なのだろうか?
Group-VPNの特徴は、安価なブロードバンド回線を用いて、セキュリティの高い閉域VPNが利用できるというものだ。しかし、それだけでなく、障害対策という点でもGroup-VPNはかなり注目に値するサービスである。
止まらないネットワークを構築するために一般的な手法としては、回線を複数用意しておき、いずれかが障害を起こしても正常に通信できるようにする「回線の冗長化」が挙げられる。
たとえば、川に1本しか橋がなければ、その橋が流されたら、対岸に渡ることはいっさいできない。しかし、あらかじめ2本橋を用意しておけば、1本が流れても、もう1本の橋を使って、対岸に渡ることができるという寸法だ。
この回線の冗長化を実現するのがGroup-VPNのバックアップメニューである「Group-VPN Plus」である。このサービスではアクセス回線のバックアップと接続セッションのバックアップができるタイプに分かれている。
アクセス回線のバックアップは、メイン回線のフレッツ網とは異なる種別のアクセス回線で冗長化しているため、非常に信頼性が高い。ブロードバンド回線(ADSL)でバックアップ構成がとれる「ACCAバックアップタイプ」とバックアップ回線をより廉価に構成できる「ISDNバックアップタイプ」が選択できる。
「Group-VPN Plus」での回線バックアップの仕組みはシンプルだ。まず、各拠点のレンタルルータはメイン回線経由でGroup-VPN網に対して常時Pingを送信している。そして、このPingの応答が一定時間途切れた段階で、自動的にバックアップ回線に切り替わることになる。回線の切り替わりやバックアップ回線の障害などは、随時指定されたメールアドレスに宛ててメールで報告されるため、管理者も安心だ。
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| 図1●ACCA網を用いる「Group-VPN Plus ACCAバックアップタイプ」(画像クリックで拡大) |
ACCAバックアップタイプは、アッカ・ネットワークスのADSL回線をバックアップ回線として用いるメニュー。異なるインフラを持つキャリアにバックアップ回線を任せることで、いわゆる「キャリア分散」が実現する。そのため、耐障害性は非常に高い。一方のISDNバックアップタイプは、文字通りISDN回線を用いた冗長化手段。低速だが、実績や信頼性は高い。
料金的にも低廉な価格を実現しており、2007年7月からは利用料金をさらに値下げしている。たとえば「ACCAバックアップタイプ」では、ルータのレンタル料やバックアップ回線の料金も含めて、1拠点あたり2万円程度の月額利用料でバックアップが可能になる。
接続セッションのバックアップができる「デュアルセッションプラン」は、NTT東日本・西日本のフレッツ網とGroup-VPN網との接続点を異なるエリアに設けておくサービスである。レンタルルータで、2つのPPPoEセッションを常時張っておくことで、どちらかがダウンしても別セッションにバックアップ切り替えを行なうことで通信を継続できるようにする。
これらGroup-VPN Plus用のルータとしては、高い実績を誇るヤマハの「RTX1000」を採用している。RTX1000はVPNやファイアウォールのスループットも高速で、バックアップなどにも十分対応できる。
こうしたアクセス回線の障害対策は、VPNサービスを利用する上で有効といえるだろう。