薄っぺらな愛で壁をぶちぬけ!
ただし、ここで注意が必要だ。前ページの壁掛けはあくまでショールームでの撮影。カタログ的に言えば“別途、電源ケーブルやチューナー部品が必要になります”という注釈がつくことになる。せっかくの薄型を生かした壁掛けから、しっぽみたいに電源がたれさがることになってしまうのだ。
電源ケーブルをすっぽり隠す「モール」という道具もあるけど、真のうすっぺら男なら実力行使をしてみたい。すなわち「壁のぶちぬき」だ。
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| モールでケーブルを隠したところ。たしかに見えづらい……が、ここであえて工事を選ぶのが男だ |
日立製作所の壁掛け機材にも採用されている「テレハング工法」と呼ばれる技術の始祖でもある、テレビの壁掛け専門業者、(株)テレハングにそのやりかたを聞いてみた。
テレハング工法はやわらかい石膏ボードでできている昔ながらの家の壁にも設置できるのが売りとなっている。施行に使う部品は3つ。テレビ側と壁側につける2つのブラケット(金具)に加えて、決め手となるのがブッシュ(ナイロン製の固定具)だ。
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| 上の金具で壁側に固定し、下の金具でテレビ側の金具と接続する | テレビ側に取りつける金具。壁側の金具に引っかける部分は釣り針のようにZ字状になっている | ブッシュ。金具をしっかりと壁に固定し、かつ重力を分散させる役割がある |
このブッシュを石膏ボードの裏側にある壁(外壁もしくは内壁)につっぱらせることで、全体にかかる重力を分散させるしくみになっている。ブッシュ1つあたりの耐荷重は約51kg。2つのブッシュでは約120kgの重量を支えることができるという。
お詫びと訂正:掲載当初、ブッシュをプラスチック製としていましたが、正しくはナイロン製です。ここにお詫びすると共に訂正いたします。
![]() | ブッシュのしくみ。壁の力を借りて重力を分散させている |
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とはいえただ話していてもわかりづらいので、実際の手順を紹介する。まずは石膏ボードにピンポン球サイズの穴を空け、金具が動かないようブッシュで固定していくところから。
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| まずブッシュ用の穴を空ける | 金具をブッシュで固定 | 壁掛け準備完了! |
電源ケーブルを壁の内側に隠し、本当に“何もない”見た目にこだわっているのが特徴となっている。理想的じゃないか!
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| 裏側から見たところ。ブッシュが壁にピッタリとくっついている | 電源ケーブルを通す穴 |
しっかり固定されたら、いよいよテレビを掛けていく。前後にテレビの角度をつけたいときは、下部についているネジで調整することもできる。
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| 金具はカンタンに外れないよう釣り針状になっている | テレビの前後角度はこのネジで調整する | 耐荷重はブッシュ2つで約120kg。マネしないでください |
一見するとカンタンに見えるけど、やっぱり設置は「匠の仕事」。ひとつ穴をあけるにも、柱の位置や強度など、家の構造そのものをきちんと知りつくしていることが必要なのだとか。実際に家で工事をしてもらうとこんな感じになる。
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| 壁に穴をあけたところ。想像よりあっさりしていた | 32インチ用にブッシュを2つ、金具を2つ使用している | 実際に壁掛けしたところ。スッキリ何もない! |
なので施行にはもちろん認定(免許)が必要で、例えば全国のヤマダ電気でテレハング工法の設置ができる“壁掛け職人”は現在300人ほど。工事をはじめてから終えるまでは2~3時間程度、費用はざっとこんな感じだ。
| 工事価格表(税込み) | ||
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| 20/23インチ | 6万4800円~ | |
| 26インチ | 7万6800円~ | |
| 32インチ | 9万3800円~ | |
| 37/40/42インチ | 10万9800円~ | |
| 46/47/50インチ | 12万4800円~ | |
| 52/55/60/65インチ | 13万9800円~ | |
壁掛けは日本のためにある
そういえばちょっと意外だったことが1つある。現在、同社が手がける「壁掛け」工事は、約4割が寝室などに設置するセカンドモデルだというのだ。
たしかに省スペース性が真価を発揮するのは6畳以下の狭い部屋、テレビを置くスペースがなければ壁に貼りつけてしまえばいいという発想もうなずける。天井近くに設置してしまえば、ごろ寝しながら見るときの角度にもぴったりだ。
ぴたっと壁に貼りつくことで地震などの横揺れにも強く、ラックに置いたときのように正面に倒れてくることがない。「狭小」と「地震」に強い「壁掛け」の発想は、まさに日本のためにあると言ってもいいだろう。
家電を設置するときに壁をぶちぬくという発想はエアコンや通信回線なども同じだ。でも、テレビの場合はその穴をどこに空けてもいいという、言ってみれば“自由の制約”のようなものがある。
いざその“自由”に飛びこむ勇気さえ持てば、今日までの生活スタイルはガラリと変わる。この記事をきっかけに、読者の皆様がもっと気軽に「超薄っぺら」な人間像を目指してくれることを願っている。





























