既存メディアの存在をおびやかす変化とは?
藤代 これまでの発信する側は「舞台裏に回れるパスを持った人たち」でした。しかし今回は、野次馬も含めて関わった人全員が舞台裏に回り、送り手側になった。もちろんこれは、秋葉原という特殊事情もあります。
しかし、今回起こった現象は、これから要所要所で起こりうることです。そのとき現場になるのは、後期高齢者医療制度や、裁判員制度の問題かもしれません。さまざまな問題の当事者が自ら語り、かつ自分が被写体になる、望むと望まざるとにかかわらず誰しも舞台裏に立たされて「メディア化してしまう」という問いを突きつけられかねない。それが露わになった、というのがこれまでと違う部分です。
mixiで淡々と「後ろの人が倒れていた」と書いていた人たちもいますが、彼らは「ジャーナリストとしてこの事件を世界に伝えなくては」と思ってやっていたわけじゃないでしょう。目の前で起こったことを、衝動に突き動かされてひたすら書いていた。マスメディアに所属しているか、ジャーナリストとして自覚があるか無自覚かとは無関係に、メディアの渦の中に巻き込まれていく。これは大きなインパクトです。
事件発生直後から、情報発信と議論の舞台はネットだった
当日夜には図解付きの詳細な目撃情報がネット上で公開された(画像1)。
![]() | 【画像1】公開された詳細な目撃情報 |
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友人を亡くした人がmixiに書いた日記。コピーされてあちこちに出回った(画像2) 。騒然とする事件直後の様子をウェブカメラで配信した人のブログに非難が集中(画像3) 。動画共有サイトにも数多くの動画がアップされた(画像4) 。
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| 【画像2】mixiに書かれた日記 | 【画像3】現場の風景も個人のカメラで多く撮影された |
そのほか、テレビ報道にはしゃぐ野次馬の一部が個人特定されたり、容疑者が勤める自動車工場の内部事情を暴露するブログが公開されたりと、マスコミには出ない情報があふれた。
![]() | 【画像4】YouTubeにも数多くの動画が投稿された |
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