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2009年02月09日 14時41分更新

SEOコンサルが伝授!ネットショップ事業戦略

第6回 

アクセス対策の設計

文● 権 成俊/株式会社ゴンウェブコンサルティング 代表取締役、李 泰成/株式会社ゴンウェブコンサルティング SEMチームリーダー

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アクセス対策の種類と特徴

●中小企業のインターネット活用の魅力はSEM

 中小企業がインターネットをビジネスに活用するとき、その目的の多くはインターネット上の見込み客の獲得でしょう。どんなビジネスでも自社の商品、サービスを認知してもらえる見込み客の数は限られています。小売店であれば、自社の前を通る人が興味を持ってお店を訪れたり、近隣エリアにチラシを撒くことで来店を促します。

 通販事業者ならエリアによる制限はなくなりますが、それでも通販の存在を知らしめるために雑誌や新聞に広告を掲載するコストがかかります。とにかく、自社の商品、サービスを知ってもらうためにコストがかかったり、物理的な範囲の制限があるのが通常です。

 しかし、インターネットを活用すると、この範囲が一気に広がります。たとえば、お米の通販をしている場合、検索エンジンで“米+通販”と検索して上位に表示されるようになると、それだけで多くの検索エンジンユーザーがサイトを訪問し、自社の商品や通販の存在を認知してもらえるのです。これが多くの中小企業にとってのインターネットの魅力です。

 このような検索エンジンアクセス対策の活用を中心として、マーケティング全体を考えることをSEM(Search Engine Marketing;サーチエンジンマーケティング)と呼びます。SEMには検索エンジンアクセス対策の他、どのようなユーザーをターゲットとするか、またその場合のターゲットキーワードの選択、アクセス獲得後の最適なサイト構造、コンテンツなど、広い範囲にわたります。その中核であるアクセス対策手法にはSEOとリスティング広告があります。

●しかし、SEMの限界?

 しかし、実際にSEMを実施してみると、その限界があることに気付きます。たとえば、Google adwordsキーワードツール(https://adwords.google.co.jp/select/KeywordToolExternal)などを活用して、キーワードごとの月間検索回数を調べてみます。

 “米+通販”の検索回数は月間12100回です。SEOで1位表示されると、クリック率が10%程度、またコンバージョンレートが1%と考えると、初月の購入者数はたったの36件です。これだけではわざわざウェブサイトをつくって通販に乗り出す価値はないでしょう。しかし、ターゲットなるキーワードはこれだけではありません。たとえば、“おいしい+米+通販”や“有機米+通販”、“玄米+通販”のように、他にも見込み客が検索しているキーワードがたくさんあるのです。これらのキーワードを調査し、対策を行うことで、検索エンジンからの訪問者を積み上げることができます。

 しかし、“米+通販”のようにある程度の検索回数があるキーワードであれば手間をかけてSEOを行う価値もありますが、“有機米+通販”は月間検索回数260回、“五穀米+通販”は月間検索回数たったの58回です。先ほどの購入者数のレートの見込みを計算してみると、58回×10%×3%=月間0.174件ということになります。このような検索ボリュームの少ないキーワードについてもいちいちSEOを行っていては手間の割に効果が上がりません。こんな時はリスティング広告を使います。検索回数の少ないキーワードは一般的に入札価格も低く抑えられ、SEOの手間と費用を天秤にかけると、広告費を支払って広告から誘導するほうが割安になります。

SEOとリスティング広告を使い分ける

 SEOによって誘導した場合でも、リスティング広告から誘導した場合でも、同じSERPs(検索結果ページ;Search Engine Result Pages)から誘導したユーザーは基本的に同じ程度の見込みがあると考えます。そのため、柔軟によりコストパフォーマンスの高い方法を選びます。具体的には、次の表のように対策が分類されます(利益を生む!検索連動型広告とSEOのバランス運用戦略 「第2回:検索連動型広告向きのキーワードとSEO向きのキーワード」参照 http://ec.ascii-business.com/eccolumn/gon/071112gon.php)。

 「SEOは自分でやれば無料だからSEOのほうがいい」と考える方が多いようです。しかし、SEOをするのに数カ月かかれば、それだけ多くの検索ユーザーをロスしていることになりますし、自身の手間と時間をコストに直すといくらか、という視点は言うまでもありません。

 そして、それ以上に、リスティング広告を試したことがない方がご存じないのが部分一致機能です。先ほど“五穀米+通販”は月間検索回数が58回と話しましたが、実はこの陰にはさらに多くの検索キーワードが眠っています。たとえば、“おいしい+五穀米+通販”、“有機+五穀米+通販”などです。これらのキーワードをすべて網羅するようなSEOは現実的に不可能です。しかし、リスティング広告では、このような検索回数が少なく、意識されないようなスモールキーワードに対しても部分一致として広告を出稿することが可能です。そのため、SEOでできる限りの対策をした場合よりもはるかに多くのユーザーを獲得できるのです。

豊富なスモールキーワードに対するSEO設計

●アクセス対策専用ページ

 リスティング広告の効果について述べましたが、SEOについても工夫することでより多くのユーザーを誘導できます。
 通常、通販サイトのSEOというと、意識するターゲットキーワードでTOPページや商品カテゴリページ、商品ページを上位表示することを考えます。しかし、より高度に最適化したSEOを行うためには、SEOによる上位表示を目的としたアクセス対策専用ページを作成します。

 たとえば、“米+通販”で上位表示をしたい場合、タイトルや本文中でターゲットキーワードである“米+通販”の出現率を高める必要があります。しかし、TOPページやカテゴリページでは他のコンテンツも掲載されているため、どうしてもターゲットキーワードの出現率だけ高めることは現実的に難しいものです。また、商品ページでもショッピングカートや通信販売に関する表記など、出現率のコントロールを阻害する要因があります。

 そこで、SEOを目的としたアクセス対策専用ページを作成します。たとえば、この場合では、“米+通販”というキーワードで上位表示をするために、“米の通販”をテーマにしたページを作成してしまうのです。アクセス対策だけを目的としたページですから、自由にコンテンツをコントロールできますし、余計なナビゲーションやコンテンツをすべて排除できます。そのため、SEOによる上位表示も達成しやすくなるわけです。ただし、最適化しやすくなるのは内部要素だけですから、内部要素の最適化だけで上位表示ができるようなキーワード、つまり、比較的競合の少ないキーワードでアクセス対策専用ページを使うことになります。

●シャドウサイト

 通常アクセス対策専用ページを作成する場合、サイトユーザーが巡回するルートにはページを設置しません。アクセス対策専用ページは検索キーワードごとに最適なランディングページであり、そのキーワードに興味を持つ方のために偏ったコンテンツになっています。その結果、サイトコンテンツとしては不自然であったり、重複する内容を含み過ぎて混乱するからです。しかし、クローラーの巡回を考えると、アクセス対策専用ページにもバックリンク(被リンク)がないといけませんから、アクセス対策専用ページ同士で相互にリンクを張り、結果読み物コンテンツだけで機能がないページ同士で影のサイトができ上がることになります。

 もしかして検索エンジンスパムではないか?と思う方もいらっしゃるかも知れません。しかし、ロボットをだますわけではなく、ユーザーに見せるためのページですから、いわゆるスパムの手法には該当しません。しかし、中身が検索ユーザーにとって興味のない情報であれば歓迎はされないでしょう。その結果は成果として評価されるはずです。

キーワード辞典

 アクセス対策専用ページの考え方をより大規模に行うのがキーワード辞典です。たくさんのアクセス対策専用ページをサイト上に掲載するために、1語(1フレーズ)1ページの辞典形式のコンテンツを作成します。たとえば、“五穀米”、“有機米”のようなページを作成し、そのページでSEOを行います。これによって、多くのアクセス対策専用ページを自然なコンテンツとして作成できます。

キーワード辞典は先ほどのキーワードごとの対策分類表のBとDに当てはまるキーワードがたくさんある場合に有効な方法です。

ウォンツ獲得型のマーケティングならSEMを徹底する

 ウォンツ獲得型のマーケティングではアクセス対策の成否がネットビジネスの成否に直結します。SEOやSEMについては多くの人が興味を持ちますが、中途半端になっている方が非常に多いようです。SEOやリスティング広告だけでも、徹底しようと思えば何年もかかる作業です。

 ウェブマーケティングの世界では新しい手法やサービスが次々の登場します。また、サイトのコンテンツ、写真やコピーについても考え始めたらきりがありません。自分がやるべきことを意識しながらも、新しい手法や目の前の興味に引き込まれ、自身がとるべき長期的な対策を怠ってはいませんか? アクセス対策が重要なサイトでは徹底的にアクセス対策に取り組んでみてください。その結果、勝算が見えないようなら他の要素を改善しても難しいでしょう。まずは自身のサイトで何が重要なのか、そして重要な対策を徹底すること。それが戦略です。

著者プロフィール

名前 権 成俊(ごん なるとし、左)、李 泰成(り やすなり、右) info[アットマーク]gonweb.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ゴンウェブコンサルティング
サイト http://www.gonweb.co.jp/

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