一般的なサーバの価格は、構成によって大きく異なるが、中小規模向けで10万円台後半から20万円台、大規模向け製品は20万円台からそれ以上となる。だが、2008年より始まった世界的な不況の影響でIT予算が削減される中、このサーバ選定に悩んでいる管理者も多い。こうした管理者に検討をお勧めしたいのが、低価格サーバだ。
5万円以下の激安サーバも用途を選べば十分使える
ここでいう低価格サーバとは、処理能力や拡張性と引き替えに価格を抑えたサーバである。もちろん、低価格サーバという定まったジャンルがあるわけではないが、ここでは1台あたり5万円前後で導入できるサーバを扱う。こうしたサーバは、CPUにはサーバ用のXeonやOpteronではなく、低価格なCeleronやAthlonを採用する。またHDDも、サーバやストレージで用いられるSCSI(SAS:Serial Attached SCSI)ではなく、デスクトップPCに使われるシリアルATA(SATA)だ。もちろん、ハイエンドサーバが備えるような電源やファンなどの冗長化機能もない。
| 項目 | 低価格サーバ | ハイエンドサーバ |
|---|---|---|
| CPUの種類 | Celeron、Athlon | Xeon、Opteron |
| CPUソケット数 | 1 | 2~8(もしくはそれ以上) |
| HDD | SATA(Serial ATA) | SAS(Serial Attached SCSI) |
| メモリ容量 | 512MB(最大8GB) | 最大48GBなど |
| メモリの種類 | アンバッファECC | レジスタ付きECC |
| 形状 | タワー型 | ラックマウント型、ブレード型 |
| 電源等の冗長化 | なし | あり |
こうした性格を持つため、全社データベースなど高いパフォーマンスが必要とされる用途には不向きだ。しかし、社内サーバのすべてにハイパフォーマンスが必要なわけではない。社内を見回せば、DNSサーバやDHCPサーバ、また部門用のファイルサーバやグループウェアサーバなど、CeleronやAthlonのサーバで十分なケースはいろいろあるはず。あるいは営業所や小規模拠点などでは、高価で高性能なサーバを使わないということも多いだろう。こうしたところにいわゆる低価格サーバはピッタリといえる。
低価格サーバ登場の背景
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| 現行機の「NEC Express5800/110Ge」 |
低価格サーバが話題となったのは、2007年にNECとHPがサーバを低価格で販売するキャンペーンを行なった頃からだ。当時、NECはCeleron、512MBメモリ、HDDレスのExpress5800/110Gdをなんと1万7850円で提供。対するHPは、Athlon、512MBメモリ、80GB HDDを搭載するHP ProLiant ML115を2万5200円で販売した。このときは企業ユーザーより、むしろ自作系の個人ユーザーが大いに盛り上がり、掲示板等でさまざまな情報交換を行なっていた。
その後、デルやIBMもこの市場に参入し、キャンペーンなら2万円前後、それ以外でも5万円前後で買える低価格サーバというジャンルが成立したという経緯だ。
この時期に低価格サーバが実現したのは、PCパーツの高性能化と低価格化のたまものだ。CeleronやAthlonは、最新のXeonやOpteronに比べれば処理能力は見劣りする。しかし、CPUの処理能力は年々ベースアップしており、ローエンドのCPUであっても数世代前のハイエンドCPUなみの能力を持つようになってきた。また、HDDも高速化しており、SATAで困ることは少ない。ネットワークも、現在主流のギガビットEthernetのコントローラがコスト的にオンボードで載せられる。こうした状況から、低価格なPCパーツを使っても、実用的に十分な性能を持つサーバが製造できるようになったのである。もちろん、金額ベースを捨て、台数ベースでシェアを獲りたいというサーバベンダー同士の競争が背後にあるのも想像に難くない。
保守サービス付きなら安心感も高い
もっとも、低価格サーバを選ぶ際に気になるのが品質だろう。企業の重要なデータを預かるサーバはダウンしたら、その被害や復旧コストは高くつく。安かろう悪かろうでは、結局のところ高くついてしまうのだ。
そこで選ぶ基準として注目したいのが、保守サービスだ。低価格サーバのなかでも、1~3年のパーツ保証やオンサイト保守が付属する製品がある。オンサイト保守は、エンジニアがサーバ導入場所まで派遣されるサービスだ。メーカーにサーバを送るセンドバック保守に比べ、早い対応が期待できるため安心感が高い。
また、こうした保守サービスが付属する製品は、製品の品質が高いことも期待できる。低価格サーバでは、エンジニアを1~2回派遣するだけで、製品価格以上のコスト負担となる。それにもかかわらず標準で付属するのは、「保守サービスが必要となる事態はそうそう生じない」という品質への自信の裏付けと考えられるためだ。
(次ページ、「安くても中味は大丈夫?低価格サーバの実物を見る」に続く)














