ここからはメールを作成したり、受信したメールを表示するクライアントや、配送と送受信の役割を担っているサーバなどのシステムを説明する。まずはユーザー側から見たメールを受信するシステムを見てみよう。
メールクライアントとメールサーバの関係
インターネット上でやり取りしているメールについて、一般的なユーザーの立場ではメールサーバの存在をあまり気にすることはない。メールを扱うときに目の前にあるのは「Outlook Express」などのメールクライアントである。メールの送受信は1つのメールクライアントで行なえるため、その背後でメール送信とメール受信の機能が独立して動作していることを意識することはないだろう。
現在のメールシステムは、送信と受信の機能が独立している。図1に示すように、サーバ機能も送信用と受信用が独立しており、そのサーバ機能と通信するためのプロトコルも異なるものが用意されている。
![]() |
|---|
| 図1 メールサーバとクライアントの関係 |
そのためユーザーはメールシステムを利用するに先だって、メールクライアントに送信と受信に関する情報を設定しなければならない(画面1)。
![]() |
|---|
| 画面1 メールクライアントの設定例 |
メールを受信する通信プロトコルには、POP3 とIMAP4という2つの標準プロトコルがあるのでどちらかを選択する。次に受信メールサーバの名前またはIPアドレスを指定する。あとはログインするためのユーザーIDとパスワードを入力すればよい。一方送信メールサーバは、名前またはIPアドレス、受信メールサーバを設定する。送信メールサーバの通信プロトコルを指定する箇所がないが、それは送信のための標準プロトコルがSMTPしかないためである。
設定するサーバなどの情報は、契約しているプロバイダや、企業のシステム部門またはネットワーク管理部門から通知されるので、その情報を基に設定することになる。
以上の基本設定を行なってメールシステムを利用する準備が完了すると、初めて実際のメールのやり取りができるようになる。
また、メールの利用が広く普及することでセキュリティに関する脅威も現れている。具体的にはメールメッセージの盗聴、配送途中のメッセージ内容改ざん、または差出人のなりすましなどである。したがってメールシステムには、このような脅威に対抗する手段としていくつかの仕組みが加えられている。
たとえばメールメッセージを暗号化して盗聴に備えたり、メールメッセージに認証情報(チェックコード)を付加して受信者が配送途中に内容が改ざんされてないか確認できるようにした。また、電子署名により差出人の身元も確認可能だ。基本的にメールはユーザーが送信するところから、宛先のユーザーがメールを開くまでのエンドツーエンド間がセキュリティ対策の対象区間となる。すなわちセキュリティの仕組みを実施するのはメールサーバではなく、メールクライアントということになる。
ここまでメールクライアントの概要について説明してきた。続いては、メールを受信する仕組みや、メール受信プロトコルについて見ていこう。
(次ページ、「メールを受信するプロトコルの種類」に続く)
この連載の記事
- 第6回 メールシステムの脆弱性とその回避策
- 第5回 メールを受け取る仕組みはどうなっていますか??
- 第3回 メールの中身をのぞいてみませんか?
- 第2回 メールを支えるドメイン名とDNSの仕組み
- 第1回 メールが届く仕組みを知っていますか?
- この連載の一覧へ















